KASKのヘルメットを実戦で使い、結果を残している社会人レーサーの田崎友康選手。多忙な毎日の中、仕事とトレーニングの両立を図り、ロードレースやシクロクロスに参戦する田崎選手ですが、今回は使用するアイテムのひとつ、ヘルメットについてコメントをいただきました。
田崎選手は参加するレースのコースやプロファイルに合わせて、手持ちの機材のなかから最適なものを選びます。プライベーターとしてレースに臨む田崎選手は、限られた条件のなかで最良の結果を得るために使用する機材に妥協はありません。そんな田崎選手が選んだヘルメットはKASK。その基準はもちろん機能性です。軽量であること、エアの抜けが良いこと、そして万が一の時は(家族のためにも)しっかりと頭部を護ること。しかし、機能性オンリーとおもいきや、最後にひとこと「スタイリッシュであること」と小さな声でおっしゃいました。
そんな田崎選手が使用するモデルは、PROTONEとUTOPIA。所属する「F(t)麒麟山 Racing」のジャージ色に合わせて、ぞれぞれのカラーはPROTONEがホワイト。UTOPIAはオレンジ/ブラックを使います。
本記事は、昨年の9月にJBCF南魚沼ロードレースにおいて、E2クラスで優勝を飾った時の写真とともに、田崎選手によるUTOPIAについてのコメントをお伝えします。
『UTOPIAの第一印象は「どちらが前か後ろか分からない、なんとなく未来的なイメージのヘルメット」でした。TeamSky(現INEOS)が実戦で使うエアロヘルメットとして、風洞実験を経て開発されたとのことですが、この独特なフォルムをみると、なるほど空力性能に長けているのだと実感。ヘルメットに限らず、エアロで大事なことは、後ろに流す風を乱さないことです』
『UTOPIAを実戦で使った印象ですが、中高速域では、うなじの部分に綺麗に風が流れるのを実感し、その感触から高い整流効果を感じます。そしてこの整流効果が効いているのか、ヘルメットの重さは全く気になりません(もともと軽いヘルメットですが…)』
『だひとつ、使う前に気になったことがありました。エアロ性能に長けているのはひと目で感じ取ったのですが、PROTONEに比べるとベンチレーションが少なく、「もしかしたら夏場のレースでは頭部が熱く、蒸れてしまうのではないか」と心配があったのです。でもそれは杞憂に過ぎませんでした。エアロ効果とベンチレーション効果が最適なのでしょうね。夏場のレースでも頭部に風の通り道があるようで(実際存在するのでしょう)、確実に頭部を冷やしてくれて、まだ暑い9月(2019年)のJBCF南魚沼ロードレースでは優勝することができました。このレースはゴールスプリント勝負になったのですが、ゴール手前でしっかり差し込めましたので、エアロ効果数ワットの違いは大きかったと思います。 コースレイアウトにもよりますが、アベレージスピードが高いレースでは、UTOPIAは手放せないヘルメットです』
以上、田崎選手のUTOPIAを実際にレースで使用した感想でした。
確かにベントホールの少なさから、内部にエアがこもり、蒸れを誘発するイメージはあります。しかしUTOPIAはロードやTT、トライアスロンでの使用を前提に開発されたモデルです。ともに開発したTeamINEOSの選手もUTOPIAを山岳ステージで使うことは考えにくいです。山岳ではVALEGROを使い、複雑なコースプロファイルではPROTONEを使い、フラットな高速コースではエアロ効果が活きるUTOPIAを使うわけです。
そんなUTOPIAですが、市販品のルックスには特徴があります。KASKのヘルメットにはもちろんロゴが入るわけですが、ロードのエアロ系シリーズにはKASKロゴを大胆に入れる傾向があります。
上記のなかでもロゴデザインをいちばん大胆に表現したのがUTOPIAで、結果、UTOPIAは何ものにも似ることのないルックスを手に入れました。第一線級の機能性を伴っていることは言うまでもありません。
UTOPIAは自転車専門誌BiCYCLE CLUB6月号とCycleSports6月号のヘルメット特集記事にて製品紹介記事を掲載中です。是非ともご覧ください。