ELEMENTO

多くのスター選手を擁する常勝軍団、UCIワールドチームINEOS Grenadiersは、KASKのヘルメットとともに勝利を重ねてきました。近年、平地ベースのレースでは万能のPROTONE ICONを使うことが多かったのですが、彼らには秘密裏にテストを重ねて、完成した新しい武器が存在したのです。そのモデルの名はELEMENTO。2023年のジロ・デ・イタリアで、ついにベールを脱ぎました。

そのデザインとシルエットはPROTONE ICONを踏襲していますが、安全性と快適性を両立する二つのテクノロジーが投入されました。

第一に軽量の新素材“FLUID CARBON12”の採用です。これはベントホールを部分的に塞ぐようにアウターシェル上に姿を見せているカーボン素材です。その特徴は衝撃によって生じたエネルギーを吸収する能力に優れ、ヘルメット全体へと均等に衝撃を分散させる機能があります。この素材特性を利用して、内部の通気孔を大きくして通気性を向上させる一方で、外側の開口部を小さくしてエアロダイナミクスの向上を図りました。

第二に内部のMULTIPODインナーパッドです。これはKASK独自デザインの3Dプリント素材で、ELEMENTOのインナーパッドに使用されているエラストマー素材です。MULTIPODはKASK独自採用の安全基準であるWG11から生まれたもので、直線的衝撃とねじれ衝撃の吸収に長け、その特性はあらゆる方向からの衝撃に対して発揮されます。これによりELEMENTOはヘルメットの衝撃吸収性を測るバージニア工科大学の権威の高いテストにおいて5つ星を獲得しました。さらにMULTIPODはそのユニークな構造のため通気性に優れ、ELEMENTO内部の温度調節も適切に行われます。

ELEMENTOに投入されたFLUID CARBON12とMULTIPODインナーパッドは、それぞれ安全性と快適性を両立したテクノロジーなので、結果として安全であり快適であるという、KASKに共通した基本理念を高いレベルで両立しているヘルメットがELEMENTOと言えます。

※上記の写真（グリーンカラー）の取り扱いはありません。